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クリスマスローズの育て方とガーデニング 花と園芸植物の販売情報
若泉ファームのサイトにようこそ。お届けするクリスマスローズは奇跡の花、ニゲルとチベタヌスの交配種「絹」、外覆輪のセミダブル「雅」、ホワイト糸ピコティ「FirstKiss」、グリーンピコティ「翡翠」、赤い雄しべをもつ「卑弥呼」、 第4のクリスマスローズジャンル「Shall We Dance」などオリジナル品種をネットショップにて販売していますのでご利用ください。
育種の楽しみと交配方法の基礎
育種と交配方法 文化と前書き
田や畑で栽培され市場を通じ商店やスーパマーケットなどで販売されている植物の多くは人間が自然界から発見し長い時間をかけ作り出したもので、身近な植物では米・野菜・花卉・果物など我々人間や動物の生命を維持するもとになります。
それらは人間が生きていくのに必要な食料として、より多く収穫できる、病害に強い、冷害に強い、味覚が良いなどと長年月人間の手によって改良育種され栽培されてきたものです。
米や野菜などと比べて花卉や観賞用樹木などは、人間が生命を維持して行くだけならそれほど必要はないようですが、しかし人々が日常生活を営む上での生活環境・心の潤いや癒しと言う部分では、それらの花卉・樹木は大変多くの貢献を遠い昔から人々の心の中に息づいています。
年号が昭和から平成に入る頃までは「園芸」と称されてきた言葉が、いつの間にかマスコミによって「ガーデニング」という言葉に置き換えられ、ごく最近になって家庭の主婦や学校教育のなかで子供達にまで広まってきたように見られています。
しかし実際、日本には他の国々とは比較にならないほど古くから園芸文化は一般の庶民まで普及し、日本は世界に冠たる園芸大国として歴史と文化を作ってきました。
遠いところでは鎌倉時代から伝わっている謡曲「鉢の木」に。
そして江戸時代の秀忠・家光将軍の頃、ツバキの新しい品種が江戸在住の大名に広まり、武士階級だけでなく一般庶民へのあまりの流行に、幕府は禁令を出したことにもそれらの園芸文化が盛んになった片鱗を見せています。
どのような禁令を幕府が出したかというと、ツバキの花は花弁が開きしばらくすると花弁そのものが萼からはずれ落ちてしまうのでツバキを作ったり鑑賞すると「首が落ちる」と、このようにしてまで江戸幕府はツバキの流行には心を砕いたようです。
どこかで聞いたことがあるかも知れませんが当時の支配階級だった大名や武士にとって、首が落ちると言うことは大名や武士の切腹お家断絶、一族一家離散を意味しています。
それほどツバキのブームの影響は大きく、江戸時代の園芸文化は支配階級とされる大名武士だけでなく一般庶民に至るまで大きな広がりを見せていました。
そのツバキなど園芸を流行らせた張本人が幕府の将軍秀忠だったという落ちもあるようです、が。
生きた植物を使った総合芸術盆栽、松柏や雑木の盆栽はヨーロッパやアメリカに輸出され単なる植物としてで無く生きた芸術として愛好家が増えて、日本の観光地巡りの目玉として埼玉県大宮にある盆栽村には観光バスを仕立ててヨーロッパやアメリカを中心とした外国からの観光客が引きをきりません。
今では染井吉野というサクラが全国公園や庭に植え込まれ広く花の季節には大勢の花見客に楽しまれています。
この今に伝わる染井吉野を作ったのも江戸時代に江戸郊外駒込(現在の東京都豊島区)の染井に住んでいた植木職人・伊藤伊兵衛で、三百年のうちに全国に広まったことをみても江戸時代からはじまった日本の園芸文化の素晴らしいところではないでしょうか。
幕末に日本に来たイギリス人の植物学者
ロバート・フォーチュン(Robert Fortune)
は、日本で見た大名屋敷の庭園・農家の生け垣、桜や梅など花見の文化、変化アサガオや菊・オモトなど庶民の草花に関しての造詣が深く文化レベルの高さを自国イギリスへ驚きを持って伝えています。
特に変化アサガオでは当時の庶民には遺伝の法則などの知識はありませんでしたが、日々植物に向かい合っているうちに自然と身についたものと思われます。
古典落語に出てくる、長屋の八さん熊さんたちのように一般庶民が草花を愛でるような習慣は当時のヨーロッパ、イギリスには無く、それは一部の貴族や支配階級の趣味と言われていたようでロバート・フォーチュンはこれらの自国とは全く違った、幕府や支配階級などの武士から商人や農民職人、一般庶民までの多様な日本の江戸園芸文化を驚嘆して本国に報告しています。
江戸時代に造られた庭園、偕楽園・栗林公園・後楽園などを始めとして、日本各地にある武家屋敷や庭園は地域の名所とされて現在でも庶民の憩いの場所を提供し、今に残されている江戸時代の浮世絵などには庶民が鉢植えの植物を楽しむ姿などが活写されています。
それら
園芸文化の遺伝子を大きく伝え持っている
皆様達で、自分自身で自分自身だけしか持っていない多様性をもったクリスマスローズを作ってみようではありませんか。クリスマスローズハイブリットはシングルにしてもダブルの花にしても、原種のオリエンタリスを中心に、アトロルーベンス、トルカータス、オドルスなど茎のない無茎種同士を交配して創られてきています。
ただ単に原種同士を交配させているのではなく、一部の原種の個体が持っている個性を最大限、あるいはほんの僅かしか隠し持っているかもしれませんが、それを密かに表している個体を探し求めて組み合わせてみましょう。
原種ならどれでも花粉を付けて即交配というのは間違っていて、親にする原種を選択するには育種をする人の美的感覚を表し人格そのものを表すことになるようです。
単にすでに創られたハイブリットの中から、ある程度評価される花同士を交配させればそれなりの似た花を咲かせることは可能です。
しかしそれでは人間が美を追求する育種でも何でもありません。
ミツバチやチョウなどが自然のまま気ままに行うただの花粉付けです。
クリスマスローズの新しい色や形、花弁に現れる花の表現、茎の長さや病害に対する抵抗性、また耐暑性など育種の目的としては限りなくあります。
単にクリスマスローズの花だけに目を向けるのではなく、
将来考えられるだろう多様性をもった花株の利用シーン
などクリスマスローズの育種目標は尽きません。
このページには遺伝子操作や細胞融合という難しい言葉はいっさい出てきません。
また仮定の記事などもありません。
最低限必要な知識の部分だけです。
クリスマスローズの好きな方なら一度はチャレンジーしてみたい、やってみたという気持ちに沿って基礎を述べていますので「自分自身の花株」を作るためにぜひ挑戦してみてください。
参考文献
朝倉書店 植物遺伝学
培風館 タマリン遺伝学
岩波文庫 メンデル雑種植物の研究
クリスマスローズ メンデル 遺伝の法則
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