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クリスマスローズの育て方とガーデニング 花と園芸植物の販売情報

若泉ファームのサイトにようこそ。お届けするクリスマスローズは奇跡の花、ニゲルとチベタヌスの交配種「絹」、外覆輪のセミダブル「雅」、ホワイト糸ピコティ「FirstKiss」、グリーンピコティ「翡翠」、赤い雄しべをもつ「卑弥呼」、 第4のクリスマスローズジャンル「Shall We Dance」などオリジナル品種をネットショップにて販売していますのでご利用ください。

クリスマスローズ メンデル 遺伝の法則

メンデル 遺伝の法則から

生物の遺伝形質が親から子へ、子から孫へと伝わっていくことは古代から経験的には知られていて、古代5千年前のメソポタミア地方の遺跡からは、現在の遺伝の考えとその伝わり方に似た絵を書いたプレートが発見されています。
そのプレートは馬のたてがみの絵を使って親から子への遺伝の伝わり方を記していて、古代の人々たちも生物の遺伝の不思議さに大きな関心を持っていたことがうかがえます。
遺伝の法則の発見者として有名なメンデルは現在のチェコスロバキアのブルノーにある修道院の修道士で1865年にこの法則を公表していたが、そのエンドウ豆を使った実験は大きく評価されるが広く一般の人々の評価までには至りませんでした。
晩年のメンデルは業績の評価に失意の連続でした。
しかし親しい友人達には「今に私の時代が来る」と語っていたという失意にまみれたメンデルだったが、彼の業績は1900年になってド・フリース以下3人の若い研究者によって再発見されそれ以後メンデルの評価は急速に高まったと言われます。
日本ではメンデル遺伝の法則を中学校理科の授業、さらに高校の生物の授業で教えていますので理解が早いかと思います。
メンデル 雑種植物の研究
クリスマスローズの交配育種を行うには少なくともこの中学高校レベルの遺伝法則を十分に理解してから行うと時間的にも経済的にもロスが少なくなるかと思います。
そしてネット上に流布しているクリスマスローズの育種や交配に関しての情報は確かなものといえるものと不確かなものがありますので、どの情報が正確でどれが不正確か、それらの選択の目を養うことと確かな文献と正確な情報を得ることが必要です。

クリスマスローズの種を採取したり蒔いたりした経験が有る方でしたら次のような経験が有るでしょう。
俵型の種・丸い種・大きな種・小さな種・あるいは黒い種・茶色の種・白い種・ベージュ色した種・赤黒い種、そして同じ品種から採れた種でも少しずつ変化が有ることや種類や品種によっての数の多寡、種にも様々な形質の組み合わせが有ることを。
次ではメンデルが発見した法則をクリスマスローズ(ヘレボルス・helleborus)に当てはめてみましょう。

メンデルは雑種植物の研究で、エンドウという植物の豆に現れた形質を7つ選んでいます。
いくつかの例を挙げると、種子の形の違い、種子の色に違い、茎の長さの違いなどでありますが、これにはエンドウ豆の7つの
形質が遺伝的に対立していると考えていて、交配された次の世代の子に現れた親の表現形質を優性、隠れて消えてみえる表現の形質を劣性と名付けています
言葉に誤解を招きやすいので付記しますが、この「優性・劣性」の言葉は植物の優劣の意味ではなくて、次の世代に現れるか消えるかを表したものです。

これを仮にクリスマスローズの花茎の長さを一つの例として当てはめてみると次のようになります。
クリスマスローズの花茎の長い株(A 仮に約80センチとする)、短い株(b 仮に約20センチとする)として双方を交配してみて、次の世代に現れてくる株の花茎の長さが全て長い場合には茎の長い株を優性、また短いものだけが現れた場合には短い株の性質を優性と考えます。

この部分では長い茎を優性と仮定している
優性の形質を持つ長い茎 AA
劣性の形質を持つ短い茎 bb
●上記の長い茎 AAと短い茎 bbを交配して見ると以下の形になります。
b b
A A b A b
A A b A b

長い茎 AA × 短い茎 bb
作られた子長い茎 A b
作られた茎の長い子は双方の両親の株から対立していると考えられる茎の長短の遺伝形質を受けついているが、実際に表現として現れてきたのは茎の長いものでAAが優性の形質だとわかりbbの表現は劣性の形質として隠されてしまったと理解できる。

@表現された形は長い茎だが劣性の遺伝情報も併せ持つ長い茎( Ab)の株を自家受粉させて100粒の種子を採取し、全て生育したとすると花茎の長さは若干の相違はあるものの遺伝的な形質が1:2:1(見かけの表現3:1)に分かれてきます。
この段階で隠されていた劣性の遺伝子(bb(25%))が株の長さに現れてきて、仮に100粒の種子を採取して全て開花させ茎の長さを確認すると、現れる茎の長い株(AA・Ab)の数は75本になり茎の短い株は(bb)は25本になる。
@ F1 A b
A AA(25%) Ab(25%)
b Ab(25%) bb(25%)

A茎の長いAAとAAを交配させてみましょう。
全ての花茎の長さは長くなります。
A A A
A AA AA
A AA AA

B長い茎のAAと短い茎Abを交配して見ましょう。
長い茎が全ての株に現れます。
B A b
A AA Ab
A AA Ab

C次にAbとAbの株を交配してみましょう。
茎の長い株(AA・Ab)は75%、茎の短い株(bb)は25%現れることになります。
C A b
A AA Ab
b Ab bb

D次にAAとbbを交配してみましょう。
AAとbbの組み合わせでは劣性とされた短い茎の形質は隠され、優性とされた形質がクリスマスローズの茎の長さに現れてきます。
D b b
A Ab Ab
A Ab Ab

E次にbbとbbを交配させてみましょう。 現れた形は全て茎の短い株(bb)になり、優性の長い茎の形質は逆に隠されてしまいます。
E b b
b bb bb
b bb bb

「メンデルの雑種植物の研究」や他の文献による遺伝の法則の理論的なものは上記の形だが、実際にクリスマスローズ ガーデンハイブリットや原種同士の交配においては希望通りにはならず様々な困難がつきまとうようです。
たとえばF2のAAやbbなら表現の形がすぐにでも理解できるが、Abのように見かけの表現は優性の形をしていても遺伝情報は優性・劣性の双方を併せ持つ場合である。
つまり表現上は優性の形をしているが遺伝情報は優性・劣性双方を持つ場合で、これは人間の目では確認が不可能で模索するしか有りません。
またこの項では茎の長さのみに焦点を当てているが、実際の交配育種はここのように簡単にはいきません。
それは一つの遺伝特性がその他多数の遺伝情報によってコントロールされていることによると考えられるからです。
メンデルの遺伝の法則に基づいた表現の仕方は以上の通りだが、実際の育種生産では作られた植物に別の親を交配したり、親となっている植物に戻し交配や選抜をして目的としている表現の植物を作り出していきます。
ひとつ注意しなければならなことは同じ両親から生まれた植物でも全く別の顔を表してくることが往々にしてあることで、クリスマスローズは異なった花色や模様を表しているものを掛け合わした場合には時により思いもかけない表現を見せてくれることがあります。
それはガーデンハイブリットは数多くのバリエーションを表している原種やハイブリットの親を数十世代に渡り交配して作られているため、このような事が多く現れてくるものと考えられます。

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