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クリスマスローズの育て方とガーデニング 花と園芸植物の販売情報

若泉ファームのサイトにようこそ。お届けするクリスマスローズは奇跡の花、ニゲルとチベタヌスの交配種「絹」、外覆輪のセミダブル「雅」、ホワイト糸ピコティ「FirstKiss」、グリーンピコティ「翡翠」、赤い雄しべをもつ「卑弥呼」、 第4のクリスマスローズジャンル「Shall We Dance」などオリジナル品種をネットショップにて販売していますのでご利用ください。

クリスマスローズの育て方・ヘレボルス属の病気と害虫・予防と対策

害虫と病気の予防 クリスマスローズを蝕む害虫

クリスマスローズを蝕む害虫
(アブラムシ・スリップス・ヨトウムシ・絵かき虫・ダニ・蝶・シジミチョウ・ハマキムシなど)
クリスマスローズは他の植物に比較し害虫の被害は多くはありませんが、駆除しなければならない主な害虫はブラックデスなどウィルス性の病気を媒介すると考えられているスリップス(アザミウマ)やアブラムシ(アリマキ)・ダニなどが対象になります。

クリスマスローズガーデンハイブリットの葉に発生したアブラムシ(写真画像は埼玉県Rさん提供) クリスマスローズの葉の裏に発生したアブラムシ
ビニールハウスなどや都市部などでは気温の温暖化に伴い厳寒期などでもアブラムシやハダニの発生が確認されています。
アブラムシ(アリマキ)はクリスマスローズの蕾の中などで越冬していますので、冬だからと言って害虫の被害は無いとは言えません。
蕾の中や新葉にアブラムシを発見しましたらアブラムシのついているクリスマスローズの蕾や葉は切り取って焼却し殺虫剤を散布します。
郊外や田園地帯ではアブラムシの天敵としてテントウムシ、クサカゲロウ、ヒラタアブなとのアブラムシを補食する昆虫の幼虫や寄生蜂がいるので保護し利用する。

黒く細い虫がスリップス
アブラムシと同等にクリスマスローズに大きな被害を与える昆虫にはスリップス(アザミウマ)が挙げられます。
花卉類にはミカンキイロアザミウマやミナミキイロアザミウマ などが多く発生し、農薬などの感受性が低く防除は困難とされていますので十分な注意が必要です。
原種のニゲルなどにはホコリダニなどのダニ類が空気が高温で乾燥している季節に多く発生してきます。
ホコリダニやハダニなどのダニの仲間は、アブラムシやスリップスなどの昆虫とは違いクモに近い仲間で、通常の昆虫用の殺虫剤でのダニの駆除は非常に困難です。
クリスマスローズの歯の裏に蜘蛛の巣状の網を作り繁殖する
ダニ専用の駆除剤(スミナイス・オサダン・バロック乳剤等)をクリスマスローズの花が終わる頃から高温で空気の乾燥しているときなど定期的に散布します。
水やりの時にダニの住みかになっている葉のクリスマスローズの葉の分かれ目や裏側にも水をかけ、ダニなどの害虫を水の力で葉などから落としてしまいます。
微少な昆虫の被害を事前に見つけるには葉の観察が必要です。
時々は虫眼鏡などでクリスマスローズの葉の裏や蕾・芽などに、これらのホコリダニやスリップスなどが発生していないかを観察し、下に掲載している黄色い捕虫シールなどで吸汁昆虫を補虫します。
捕虫シールにはスリップスなどに効果があるブルーのシール、ダニなどに効果のある黄色のものが販売されている。
クリスマスローズに加害する害虫は葉の裏側に着く場合が多いので、水やりの際には葉の裏側から水をかけるのも予防効果が大きくなる。

スリップスやホコリダニなどを捕虫する捕虫シール

ヨトウムシ
クリスマスローズの幼い葉に小さな穴が開きましたらヨトウムシを疑ってください。
特に有茎種のアゥグチフォリウスやフェチダスなど葉の鑑賞価値があるヘレボルスに多く発生します。
ヨトウムシはクリスマスローズに大きな被害は与えませんが、蕾などを食害されますので用土の中にオルトランなどの浸透移行性の殺虫剤を撒き退治するか夜になって用土から出てきた時をねらい捕殺する。

よとう虫に食害されたクリスマスローズの葉、写真の中央にヨトウムシがいるヨトウムシに食害されたクリスマスローズガーデンハイブリットの葉

エカキムシ(絵かき虫)
エカキムシはハモグリバエの幼虫が植物の葉の内部に進入して現れるものです。
これもヨトウムシ同様オルトランなど浸透移行性の殺虫剤で退治できます。
葉の表面の白い筋を追いよく見ますと黒く細長いものがあり、これがハモグリバエの幼虫ですので堅いピンセットなどでつぶしてしまいます

絵かき虫(写真画像中央の黒い点が絵かき虫)
中央右側の黒い点がエカキムシ、白く見える部分が葉の中に入ってエカキムシに食害された症状。

モンシロチョウとシジミチョウ ハマキムシ(葉巻虫)
モンシロチョウやシジミチョウなどの蝶類がクリスマスローズの葉に卵を産み孵化した幼虫が新葉を食害します。
無茎種のクリスマスローズに発生することは少ないが中間種のニゲルや有茎種のアゥグチフォリウス・リビダスなどに被害が多く発生する。
都市部でも田園地帯でもシジミチョウは多く発生しています。
シジミチョウなどの昆虫類から直接な被害は無いが葉の裏側に幼虫が住み着き食害するので葉を裏返しして確認する。

チョウの食害痕食害する蝶の幼虫
葉の裏側に幼虫の姿が見られます。

食害された葉


ハマキムシは蛾の幼虫で約300種の植物を加害し、写真のように糸をはきだし葉を丸め、幼虫は新しく発生した葉を食害する。
クリスマスローズでは特に原種ニゲルやニゲルとの交雑種、有茎種のアゥグチフォリウスなどに多く発生しガーデンハイブリットには比較的少ない。
ハマキムシは年に4回程度発生するので、防除はスミチオンやマラソンを発生初期に散布し巻かれた葉の中にも薬が入るようにする。

クリスマスローズガーデンハイブリットの葉に産み付けられた卵ハマキムシ
微少昆虫による食害と考えられる
ホコリダニ
やスリップスなどの微少昆虫による食害痕と考えられる(特に発生したばかりの葉に注意する)。


灰色カビ病・立ち枯れ病の予防と対策
腐って抜き取られたクリスマスローズガーデンハイブリットの葉灰色カビ病に罹ったクリスマスローズの葉
灰色カビ病・立ち枯れ病などカビ(ボトリチス菌など)によって起こる病気の被害から逃れるには、殺菌剤に頼るだけでなく病気の伝染源となる枯れたり腐ったりした茎や葉・花などを取り去り株の周囲を清潔にすることが重要です。
過度に窒素肥料を与えると灰色カビ病などの発生が多くなることがある。
特にガーデンハイブリットなどは冬に近くなった頃、その年の春に出た葉を切り取ってしまうことが多いため、ちょうど梅雨の頃になると残された茎が腐って病原菌の住みかになり灰色カビ病などの被害を大きくしますので腐った茎などは、梅雨に入る前5月から6月にかけて抜き取って鉢の土を清潔にします。
鉢に植え付けて数年過ぎた株は11月頃に鉢の表土を数センチ掘り取り新しい赤玉土か鹿沼土などで入れ替えるようにして予防する。

5月 クリスマスローズを育てる鉢の掃除

軟腐病の予防と対策
軟腐病の発生は夏から秋にかけてで、そのころに葉・茎・根を切ったりすると、その切り口から水などに伝わって病原菌が植物の体内に入り込み軟腐病を引き起こしたり、ナメクジやカタツムリなどの食害の傷口から菌が侵入したりします。
多くの植物が罹る病気の原因はカビの種類が多いのですが、この治療困難な軟腐病の原因は「細菌」による病気です。灰色カビ病の原因ボトリチス菌などと同様どこにでも住んでいる病原です。
軟腐病に罹らないようにするには軟腐病の発生期にクリスマスローズの茎や葉・根などに傷を付けないようにすることと、鉢植えのクリスマスローズなどでは鉢表土が崩れたままでの栽培や、窒素肥料を多く与えてクリスマスローズを軟弱な体にしないよう、クリスマスローズを植えている鉢の地下置きをに注意することが大切です。
また軟腐病が多く発生する夏から初秋の季節にはクリスマスローズの茎や葉を切ったり、根をほぐしたりの植え替えをしないようにするとともにナメクジなどの食害を注意しなければなりません。
台風の風などで茎などが折られる被害が多く、軟腐病の発生が予見されるときには罹ってしまってからでは治療効果のある薬剤はありませんので、7月頃から予防的にキノンドーやビスダイセンなどの薬剤を散布すると効果的です。

不快害虫・ナメクジ・カタツムリの退治方法と予防
ナメクジ・カタツムリ退治方法
@空缶や使用しない皿にビールを入れナメクジの出てくる場所に置き、ナメクジがビールを飲みに缶に入りおぼれ死ぬようにする。これはかなりナメクジ退治方法としては一般に知られているのですが虫嫌いのご婦人には後の始末が難しそうです。
(発砲酒の効果は不明)
Aバナナやリンゴなど果物の食べカスを鉢の近くに置き、夜になって果物を食べに来たナメクジを箸でつまみ取る。
Bメタルアルデヒドを含んだ粒剤(ナメキール)をナメクジの出てくる場所にばらまいて退治する。
ナメクジ・カタツムリ予防
@油かすなどの有機肥料はなるべく使わない。クリスマスローズは6月以後の季節は肥料を与えませんので有機肥料のカスは必ず取り除く。
A鉢の近くを水でいつも湿らせたままにしない。
B鉢の周りを鉢から飛び出た土や肥料かすなどを放置しない。
C鉢の下の通風を良くする。
D鉢の中程にナメクジが忌諱する銅線を巻き付ける。
Eナメクジ退治のスプレーをナメクジの出る場所に噴霧する。


ダニによるクリスマスローズの被害
ダニの被害(食害痕)
クリスマスローズにはホコリダニやハダニなどダニによる被害が有り、モザイク病やブラックデス(黒死病)などウィルス性と思われる病気の原因となったり、葉を吸汁することによってクリスマスローズそのものを弱らせて蕾を付けなくさせてしまいます。
ダニは草花など植物を栽培している所にはどこでも生息し草花の花や葉から吸汁して、特に雨の当たらない木陰や空気の澱んだ家の軒下の雑草などに多く住みます。
ダニが多く発生する季節は温暖な地方で主として4月頃から11月末頃となります。
体の大きさが芥子粒みたいに小さく(0.3〜0.5ミリ)肉眼でダニの発生を見つけるのは困難ですが、気温の高い日にクリスマスローズの葉の別れ際や葉の表面を歩いているのを見つけることが出来ます。
そのため庭などの樹木の下草や雑草にダニの被害が白い絣模様などが現れていないかを観察することも必要です。
繁殖したダニの巣
このダニは空気が高温で乾燥している季節に多く発生し、卵から成虫になる時間も1週間前後と非常に短く、年に10〜15回以上発生しウィルスを保毒している可能性が高いため、油断していると植物性のウィルス病にかかる危険性が非常に大きくなります。
ダニによる被害を防ぐ予防法は家の壁際や軒下に鉢を置かないことや、クリスマスローズの周囲を遮蔽物で塞ぎ通風を悪くすることを避けるようにすることと、株を雨に当てることでダニ被害を小さくすることが出来ます。

ダニを退治するにはスミチオンなど一般の殺虫剤では効果がありませんのでダニ専用の農薬を使用し、
ダニに薬剤抵抗性を付けさせないよう有効成分が異なる薬剤を交互に使うことが大切です。
ダニ専用の薬剤を1週間から2週間の期間をあけ交互に散布します。
また
ダニ専用の農薬はダニの卵・幼虫・成虫別に効果が異なりますので、それらの状況にあった農薬を使用します。
特にクリスマスローズは早春から残暑の厳しい季節はもちろん、晩秋まで発生を続けます。クリスマスローズのハイブリットなどが新しい葉を発生させる頃が最も被害を受けやすいためダニ剤の散布は欠かせません。

クリスマスローズの育て方 初夏 5月

クリスマスローズの育て方 夏8月

浸透移行性農薬とは長期間にわたって害虫を駆除します
浸透移行性農薬とは土壌中に混入したり植物の葉や茎に散布することにより、植物の根や葉茎から農薬の成分が植物体内に吸収され植物の体内全体に浸透移行し、それらの植物を昆虫が口針で刺し植物の汁を吸収することによって農薬の成分が昆虫の体内に入り殺虫する農薬です。
これら浸透移行性の農薬には水和剤(水に溶かして使用する農薬)と、土に混ぜて使用する粒材状をした農薬があります。
浸透移行性の粒剤など土壌中に混入して使用する農薬は、殺虫効果が1〜2ヶ月と長期間に及ぶためスリップス・アブラムシなど、目で害虫の発生を確認がしにくく、植物の葉や蕾・花から汁を吸う昆虫にはたいへん効果があります
浸透移行性農薬の中で市販されている粒剤の主なものには、オルトラン粒剤・モスピラン粒剤・オンコル粒剤・アドマイヤー粒剤などがあります。

効果的な殺菌剤・殺虫剤の散布方法
クリスマスローズの葉についたアブラムシ
クリスマスローズの病害は発生する季節がほぼ決まっています。
病気が発生してから農薬を散布するようにするより病害虫被害からの予防に重点をおくようにします。
殺菌剤・殺虫剤の希釈倍率は、規定を1000とした場合、その規定より若干(1200程度に)薄くし回数を増やします。
作物名・適用病害虫名・希釈倍率・使用回数などが決められていますが、作物名には残念ながらクリスマスローズは含まれていません。
薬害や使用に不適なことも起きてくる可能性もありますので希釈倍率などは薄くして使用します。
農薬の適用作物名は野菜や果物が指定され花卉では菊やかすみ草・バラなどほんのわずかな種類になっています。
クリスマスローズには適用指定されていませんので、作物名の中に含まれている花卉の菊やかすみ草・バラなどの使用例を参考とすると良いでしょう。
農薬の散布後、数日間、雨の降らない日をえらび早朝か夕方に散布します。
農薬の散布は葉の表だけでなく裏側や周囲にも一緒に散布しましょう。
薬を散布するクリスマスローズだけでなくその他周囲に植え込んである植物にも散布するようにしましょう。
同一の薬剤を使い続けますと害虫・病原菌に耐性を作られ薬剤の効果が少なくなりますので、複数の異なった成分の入った薬剤を一定の間隔をおき交互に散布するようにすると効果が大きくなります。
薬剤の散布には展着剤を混用しますと急な雨などに薬剤が流されにくく、薬剤の残効性が高くなりますので規定に沿って使うと良い。

農林水産省農薬関係ページリンク
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/index.html


http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_tisiki/index.html

農薬などの薬剤を使用するときの注意
農薬を散布するときには、マスク・手袋などを着用して肌に直に農薬がかからないように注意し、もし目などに入ったり気持ちが悪くなったり肌が荒れるような症状などが発生したときには医師の診断を受けましょう。
農薬を散布して気持ちに悪くなったりした時にはアルコール類は飲まないようにしましょう。
市街地で植物に農薬を散布するときには、通行人・洗濯物や犬猫・小鳥などの小動物に農薬が飛散しないように注意しましょう。
農薬を希釈した液は長期保存ができませんので使用するたびに作るようにしましょう。
希釈倍率は乳剤・液剤1ccに対して水1リットルが1000倍になります。
粉剤2グラムに対して水1リットルですと500倍になります。
農薬の希釈倍率、使用方法は説明書に従い必ず守りましょう
余った農薬や容器は焼却やゴミに出さずJA(農協)などに持ち込み処分してもらいましょう(有料)。
農薬を使用するときには必ず添付されている使用説明書を必ず読み使用回数など説明書の指示に従って使用しましょう。
農薬を散布するときに使う噴霧器の水容量は4〜5リットル前後のものを使う。
1リットルなどと小型の噴霧器だと農薬の量を計る際に濃度を濃くしてしまい薬害の発生や事故を起こすことがありますので、出来る限り容量の大きい容器(噴霧器)を使うようにします。

クリスマスローズの病気と害虫・予防と対策・参考ホームページと薬品
都道府県の植物研究所・植物防除所や農薬などの紹介ページです


主な病名治療のための薬剤名(一般の園芸店で入手できる薬剤)
ブラックデス (黒死病)
ウィルス(カーラウィルス)性の病気で現在では効果のある薬剤はありません。
灰色カビ病 ロブラール/ベンレート/ダコニール/ジマンダイセン
立ち枯れ病 ダコニール/オーソサイド/ベンレート
ブラックスポット(黒点病) サブロール/ダコニール/ジマンダイセン
ベト病 ジマンダイセン/オーソサイド/ダコニール/ボルドーなど
モザイク病(バイラス病) ウィルス性の病気で現在では効果のある薬剤はありません
軟腐病 予防的にはキノンドー、マイシン剤などがあるが発生してから治療効果のある薬剤は無い
炭疽病 トップジン/ダイセンなど
主な害虫名と薬剤等(一般の園芸店で入手できる薬剤)
アブラムシ(アリマキ) オルトラン/アクテリック/アドマイヤー/オンコル/スミチオンなど
スリップス マラソン/アドマイヤー/モスピラン/オルトラン/オンコルなど
ヨトウムシ オルトラン/トアロー/アドマイヤー/捕殺
エカキムシ オルトラン/マラソン/スミチオン/アクテリックなど
ハマキムシ オルトラン/スミチオン/マラソンなど
ダニ
(ハダニ・ホコリダニ・サビダニ他)
マラソン/スミナイス/オサダン/ダニトロン/アファーム乳剤などのダニ専用農薬

  
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