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クリスマスローズの育て方とガーデニング 花と園芸植物の販売情報

若泉ファームのサイトにようこそ。お届けするクリスマスローズは奇跡の花、ニゲルとチベタヌスの交配種「絹」、外覆輪のセミダブル「雅」、ホワイト糸ピコティ「FirstKiss」、グリーンピコティ「翡翠」、赤い雄しべをもつ「卑弥呼」、 第4のクリスマスローズジャンル「Shall We Dance」などオリジナル品種をネットショップにて販売していますのでご利用ください。

クリスマスローズの早期発芽 理屈と技術

早期発芽

原種クロアチアカスダブルの種
旧のお盆が終わったある日、「クリスマスローズの早期発芽をやっているが、冷蔵庫に入れたクリスマスローズの種から根が出てきている」とのメールが届いた。
どうしたらよいものかと言う質問でした。

このメールを読んで何とご返事をしたら良いのか正直迷ってしまいました。
関東地方でクリスマスローズの種まきをした場合、それは種の採種後すぐに行う採り蒔きでも、夏の間土中に保存していたとしても種の殻を破って根が出てくるのは気温がかなり下がってきた11月末頃になる。
お盆が終わった頃の気温は最高で35度近くなる場合も少なくない。
その時期に早期発芽として冷蔵庫で保存していた種の殻が割れて根が出てきたとしたらどうなるのだろうか。

まだ気温が高いからとそのまま冷蔵庫に置いていたら、根はすくすく気持ちよく伸び出して根が絡んでしまう。
根が出てきたから、さあ土に蒔かなければとしたらどうなるのだろうか。
直根をよく観察して見ると伸び出した根の周りには水を吸い呼吸をする細かな根毛が沢山まとわりついている。

5度以下の冷蔵庫から出され残暑まっただ中、30数度という高温にさらされたクリスマスローズの種の根毛はあっという間にひからびてしまう。
乾いてしまうからといって根の絡んだ種を水に浸して時間稼ぎをしたらどうなるのだろうか。


この問い合わせをくれた方のクリスマスローズ早期発芽の目的とは。
なぜ、それを行わなければならないのか、その目的がハッキリとしないのです。
考えられることは、通常発芽から花を見せるまで2年かかるところを少しでも早く花を咲かせてみたいとのことだろうが、特別な高等テクニックを使えば発芽から1年で、ある程度クリスマスローズの花を咲かせることは出来るだろうが、その株本来の花を咲かせてくれることは希で、それなりの経験と設備を持たず種子の温度処理だけをして早く発芽させてもそれは無理。
半年早く咲かせようとしても移植の季節は真夏でクリスマスローズの苗も息絶え絶え。
クリスマスローズの種子は高温処理と低温処理を通常の形で行い、年に2回のポット換えさえ当たり前に行えば、まず発芽から2年でほとんど花を見せてくれる。
なにも特別なことをしなくても花は咲いてくれるし失敗はほとんど無い。
確かに早期発芽とかできる限り早く1年でもクリスマスローズの花を咲かせて見たいなどと、いろいろなことを試してみたいとの気持ちは十分に理解できるが、それでどうこうクリスマスローズの種をいじくり回してみても自然の摂理にはかなわないのが現実。
クリスマスローズの種をほんの数ヶ月早く発芽させたとしても何の自慢にもなりゃしないし、ブログなどに早期発芽が成功したなどと書いて自慢しても、細かく言えば植物の命をもてあそんでいるだけでしか無い。

クリスマスローズの発芽苗
かなり前に、あるネット上のサークル掲示板に投稿したことがある。
その早期発芽の記事が「伝授された」とクリスマスローズ関係のホームページなどに丸ごと無断盗用され一部広がったのが原因かも知れないが、投稿した部分の記事は「理屈のさわり」の範囲で植物の生理を理解している方々なら当然のこととして理解されるだろうが、ホームページに丸ごと無断盗用した方はクリスマスローズや植物の生理や栽培技術、著作権などには全くと言って無知で残念ながら盗用コピー万能で良しと言うだけの方だったようだ。
技術的な部分や発芽前後の処理などノウハウは書かれていないのに、そのサークルに載せた記事が新鮮なネタに映ったのかもしれない。

この早期発芽の記事は特別で理論的なというよりクリスマスローズや植物を生産栽培しているプロにとっては珍しくも無い当たり前のことだ。
しかし記事には一番肝心なことは書いていない。
発根後・発芽後の処理技術などや時間的な部分や温度順化などに関しては一切コミットしていず記事には当然していない。
その記事を読んでみればある程度植物生理を理解している方なら、一番大切な部分が故意に書かれていないことが解るはず。

北海道や東北地方などでは冬季の気温が日中でもマイナスになるし、一日中暖房を入れている状態かもしれない。
だからといって植物生理をあまり知らない一般人が、その発根発芽した早期発芽の苗を寒気から保護しようとして家の中に取り込んだら最後、もやし状態になるか、発芽したばかりの苗が立ち枯れ・灰カビ病などの病気で全滅するかもしれない。

リスクは大きすぎる。

北海道や雪国でない関東地方以南の地域でもそれは言える。
通常の高温処理をして10月頃の適期に種を蒔いたとしても発芽は翌年の正月過ぎとなるのが当たり前のクリスマスローズ。
早期発芽となると、少なくても正月より前。
種の採取後4ヶ月もあればを夏日の続く9月に発芽してしまうので、ここで一悶着起きる可能性も出る。
生まれたばかりの赤ん坊をライオンの檻に放り込むことと同じになる。
失敗する結果は目に見えている。

早く根を出し双葉を出している苗をうまく植え付けても、その双葉が伸び出そうとする頃には寒気がやってきて昼はどうにかなるとしても夜間には土が凍ってしまう。
そして凍った土から根が飛び出し苗は確実にひからびてしまう。趣味でクリスマスローズの種を蒔き楽しんでいる方々はそのような経験を幾つもしているかと思う。

このご質問に関しては正直、「たぶん失敗する」とご返事を差し上げたが返事もなく、その後どうなったかは解らない。

せっかく大金を出費しクリスマスローズダブルの種を買ったり採ったりしても、栽培条件を整えずに不安定な早期発芽など確実な見込みの無いことをやってしまうと貴重な金と時間を無駄にしてしまいます。
ラッキーという具合に、時にはうまく行く場合もあるでしょうが、たまたまの成功で、いつも続くとは限らない。
様々な植物を長い間栽培しているような方はこのようなことをまずしないが、これらファッション的にクリスマスローズに入った方には早期発芽など、知識の無い方にブログなどに書いて自慢するには非常に魅力的な部分かもしれない。

クリスマスローズは種の採取から満三年、発芽から満二年、毎日、朝「おはよう」と声をかけ手塩をかけてあげれば美しい花を見られる。
クリスマスローズを種まきから楽しむのには何も特別なことをしなくても良い。
当たり前のことを当たり前に行えばそれで十分に楽しむことができる。古くから言いならされてきた言葉かもしれないが。
通常の扱いをして種をまき、発芽後2年ほど待てば全く問題なくクリスマスローズの花は開いてくれる。
命を弄んだり罪作りなことはしない方がクリスマスローズにとって幸福と思うのですが。



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