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クリスマスローズの育て方とガーデニング 花と園芸植物の販売情報

若泉ファームのサイトにようこそ。お届けするクリスマスローズは奇跡の花、ニゲルとチベタヌスの交配種「絹」、外覆輪のセミダブル「雅」、ホワイト糸ピコティ「FirstKiss」、グリーンピコティ「翡翠」、赤い雄しべをもつ「卑弥呼」、 第4のクリスマスローズジャンル「Shall We Dance」などオリジナル品種をネットショップにて販売していますのでご利用ください。

気の長いクリスマスローズのお話

とっても気の長いお話

気の長い話です。

昨年の初夏に日本クリスマスローズ協会が招いたアシュウッドナーセリーのジョン社長が二度目の来日をしました。
そしてアシュウッドナーセリーが育種したクリスマスローズの講演会が吉祥寺のホテルで開かれました。
その講演会に参加された方々は覚えているかも知れませんが、ここ数年人気が出てきたブラックのダブル。

クリスマスローズ
このブラックダブルがどのようにして出来てきたかを簡単にですが話してくれました。
以前から一部では周知のことでしたが、この講演会で改めてどれから出てきたかを話してくれたのにはびっくりいたしました。
何からとは。
偶然グレーのジャンルの実生苗から発生したと。

話は変わって、では糸ピコティのダブルはどのようにして出来たか。
これは中学校の生徒でも、先生の話をまじめに聞いていれば、簡単に答えが見つかります。
そうです。メンデルの法則。
当たり前の事を当たり前に行えば糸ピコティのダブルを作ることも簡単にできます。
ただお断りしておかなければならないこともあります。
現在のクリスマスローズの生産事情を知っていれば言うは易で、実際にそれを行おうとしても時と花の女神がほほえまなければ無駄な行為になってしまうこともあります。
まずは糸ピコティシングルの形も色も株の立ち方や、そして絹のように細いピコティを持っている花を探さなければなりません。
次ぎにダブルの花、これも色や形など必要条件を備えていなければならないようです。どうにか二株のそれを探したとしても、少なくとも二回(2年)は手元で花を咲かせてみなければ花粉付けは行わないのが順当です。

加温されて作られていればクリスマスローズの花色は薄くなる傾向にある。
その株が持っている本来の色や姿を確認するのに2年の歳月がかかります。
さあ一年後、これで良しとなったら花の季節に花粉付けのセオリーに従い花粉付けを行い、花粉付けの数ヶ月後にクリスマスローズの種を採取します。
それから翌年の冬にクリスマスローズの種は発芽し、双葉を出し本葉を出しながら成長を進めます。
更に2年〜3年。そうするとクリスマスローズの花は咲いてきます。

しかしクリスマスローズの花は咲いてきたとしても、ダブルの花はまず咲きません。
全てシングルのクリスマスローズです。
糸ピコティが入っているものもあれば糸ピコティが出てこないものや違う色で咲いてきてしまう株も出てきます。
形が崩れ、地色にもとの萼の色が出てきてしまったりし、理想とは全く違った結果でがっかりすること受け合いです。
しかしここでがっかりしてはいけません。
目標はダブルの糸ピコティです。
シングルの糸ピコティではありません。

種を100播いたとしても咲いてきた花の中から、もとの糸ピコティシングルと同等以上の性質を持っている花を探さなければなりません。
確実な審美眼が要求されます。
ここは技術ではなく、それまでどのような花を、どのように見てきたかというような美的なセンスが要求されるでしょう。

その100咲いてきた花の中から、数株だけ選びましょう。
余った花はかわいそうですが自然に帰してあげます。
さて選んだクリスマスローズの花株をもう1回咲かせた上でクロス交配します。
あるいは最初の片親になったダブルの花と交配します。

それから三年、時と花の女神がほほえめば素晴らしいオリジナルの糸ピコティダブルのクリスマスローズを楽しめるかも知れません。

 


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