本文へスキップ

クリスマスローズの育て方とガーデニング 花と園芸植物の販売情報

若泉ファームのサイトにようこそ。お届けするクリスマスローズは奇跡の花、ニゲルとチベタヌスの交配種「絹」、外覆輪のセミダブル「雅」、ホワイト糸ピコティ「FirstKiss」、グリーンピコティ「翡翠」、赤い雄しべをもつ「卑弥呼」、 第4のクリスマスローズジャンル「Shall We Dance」などオリジナル品種をネットショップにて販売していますのでご利用ください。

雄しべの花粉が出てこないクリスマスローズは?

退化

雄しべの出てないクリスマスローズ
数日前のこと取引先バイヤーさんから電話がありました。
仕入れに伺いたいのだが開花状況はどうかと、、、、。

今年のクリスマスローズの状況。暮れは北海道から小さな開花株が入って、新潟からも幾ばくかのクリスマスローズが市場に入ってきたようです。
年末の市況は、やはりシクラメンやシンビジュームなどのランが主流の歳末の園芸店ではあまりクリスマスローズは活躍の場が無かったようです。

話はもどって、もう少し時間をいただきたい。
秋の気温が下がらず、それに輪をかけて年が明けてからの気温が低すぎる。
たっぷりクリスマスローズの仕入れをするのなら今週の終わりか、あるいは来週に入った頃が一番かと。

話のついでに、こんな質問があった。
クリスマスローズの雄しべの花粉が出ない株がよく見られるがどうしたものかと。
親にする株を集めていた頃、その頃もそんなクリスマスローズの株に出会ったことが多くある。
そういうクリスマスローズの株は、最初から仕入れてはこなかったのだが最近は多く市場に出ているようだ。

原因究明は植物の生理学者が担当することだが幾つか考えられることがある。
クリスマスローズのハイブリット。
簡単に言うと自然の野山では生きられなくされて人間の欲望の的にされていると言うこと。
園芸植物としてクリスマスローズも人間の論理で作られてきた。

その影響ではと思うのだが、この写真のピンクの糸ピコティのように同一の株から咲いてきたクリスマスローズの花を見るとき、クリスマスローズだけで無く植物全体に対して生理的な部分や遺伝的な部分を研究してくれる人間は居ないのだろうかと。
雄しべが出てこない原因、自家受粉(セルフ)を続けてきて雄しべが退化してきたもの、あるいは子孫を残す力がないのに無理に咲かせられたか、あるいは気温の影響などでうっかり咲いてきてしまったのか。

クリスマスローズの花粉つけ、つまり交配だが、一本一本の雄しべをピンセットで取り去り、その雄しべを別の株の雌しべにこすりつける、受粉作業は簡単に見えて簡単では無い神経は疲れ目は疲れ果てる。
これをやっている採取できる種はごく少なくなってくる。
意外とこんな部分に問題が発生してきているのかもしれない。

(読者からのコメント)
ご無沙汰しております。
仰る通り、自殖弱勢の影響と考えて良いかと思います。
釈迦に説法ですがヘレボラス属は雌蕊先熟で元々自殖を防ぐタイプの植物です。
それを花形や花色の固定化の目的で無理矢理セルフで経代している 分けですから、起こって当然の結果ではないかと。
ゴールドやネオンの系統などは特にその傾向が強く出ている物が多いですね。
花は確かに良い物でも雌しべか雄しべが奇形で受精能力のない物を 多く見かけます。
別の可能性としてウイロイドやファイトプラズマが考えられますが、 ラナンキュラスではファイトプラズマによる症例がいくつか知られていますが ヘレボラスではまだ聞いた事はありません。キンポウゲ科という事で 罹患しやすい可能性はあるかと思います。

(返事)
こちらこそご無沙汰いたしております。
この雄しべが出ないクリスマスローズ、今日仕入れに来た方は市場などでは1ケース10数株くらいは入っている中で2〜3株くらいは雄しべが出ていないものが混じっていると言っていました。
ゴールドやネオンなどの株はセルフで花粉がかかっている可能性が大きいのかもしれません。
ゴールドなどは考える限り1株しか出てこなかったのをセルフで種を取り、それをさらにセルフやいくつかのクロスで商品にしていって弱い株が残っていったのではと、、、。
暮れに苗をご注文されて数時間後にキャンセルのお客がありました。
その理由というのが、「クロス交配の苗だからキャンセルする、セルフで無くてはダメ」というものでした。
生産段階ではセルフでの種取はまず考えることは無く、育種の段階で致し方なく行う交配方法ですがそれがまかりとっているのがクリスマスローズの現状と思います。
大量生産はメリクロン、実生は少量生産、そうなるとこういうことは少なくなるのではと考えています。

 

クリスマスローズガーデン花と園芸の情報