ニゲル(h.niger)(ニガー・ナイガーとも呼ばれることがある)
ニゲルは中間種で純白の花でヨーロッパなどではクリスマスの頃に咲くために「クリスマスに咲くバラ」「クリスマスローズ」の名を冠されたいへん人気のある原種で、ヨーロッパアルプスの東端からイタリア・ドイツ・オーストリア・旧ユーゴスラビアにかけて自生している。
育てるのは他の原種たちと比較して大変楽で大きな株に短期間ですることが出来る原種です。
ただし株の寿命は短いようで種子を採取しながら株の更新をするか、適当な大きさに育ったら株分けして世代の更新をするようにする。
最近ではニゲルのダブル(八重)も出され、チベタヌスとニゲルとの交雑種「絹」 (H. nigercors x H. thibetanus)、「ピンクアイス・Pink Ice」 (H. nigercors x H. thibetanus)、ヴェシカリウスとの交雑種「ブライアーローズ」も作出されている。栽培方法にもよるが蕾をたくさん付けて咲かせることが可能。
ニゲルには亜種とは異なるが、イギリスの育種家マックルーィン氏がヨーロッパアルプスで発見したピンクから赤にかけての色を表すニゲルの変異を表した種類もある。これには「サンライズ」「サンセット」の名を付けられているが、国内ではピンクや赤の色は表しにくいようだ。このニゲルという名のいわれは植物の根の色が黒いことに始まるが実際の根の色は他の種類と変わりません。 リビダス(h.lividus)
原種リビダスはスペインのマジョルカ島など地中海沿岸の一部の限られたところに自生して、小豆色や緑の小型の花をたくさん付ける有茎種です。地中海性の温暖な地域の産のため低温には弱く、また種の変異には立ち性と這い性の株が見受けられる。開花までの期間は実生から早くて一年。
這い性のリビダスは茎が細く花の重みで花房が垂れ下がる性質を利用して、ハンギングバスケットの素材に良い。有る意味で非常に注目しても良い原種です。