種を土中保存し9月から10月に鉢に種子を蒔く方法
クリスマスローズ種まきの最も易しく安心できる方法です。
茶こし袋に種子とバーミキュライトあるいはパーライトを 大さじ山盛り5杯くらい入れ、殺菌剤のダコニールかベンレート500〜1000倍液に浸して種が水を十分に吸い膨らむようにしてください。
(家庭で小豆を煮るときに水で小豆を膨らませるのと同じ要領です)
採取直後の乾燥したクリスマスローズの種子と水で戻し膨らんだ種子
土中で高温処理を行っている期間、種子と種子が直接接触したままにすると保存期間中に種が腐敗する恐れがありますので、必ず十分な量のパーライトなどを入れるようにしてください。
次に赤玉土中粒を入れた7〜8号程度の鉢中央に茶袋を赤玉土と共に入れ灌水します。
その後は鉢に覆いをして雨や直射日光の当たらない戸外で土や種子が乾燥しないように灌水し9月中旬以後の種蒔きの時期まで日光の当たらない日陰で保存してください。
種の保存期間中は赤玉土の表面が白く乾く前に灌水してください。
保存した種は雑菌に犯され腐らせないよう、4〜6週間に1回程度、ダコニール(1000倍)かベンレート(500倍)などの殺菌剤を灌水代わりに鉢土に流し込みます。
9月中旬〜10月下旬頃に口径15センチほどの鉢に赤玉土小粒を7分目ほど入れ、用土を濡らしその上に保存していたクリスマスローズの種を1センチ間隔で蒔きます。
クリスマスローズの種まき
種まきが終わりましたら、種の上に1センチ弱ほど赤玉土小粒をかけ発芽の季節まで用土や種を乾燥しないように注意し、直射日光や雨の当たらない戸外の場所(縁の下など)で保存します。
秋、種を蒔いてから発根発芽までの数ヶ月はクリスマスローズの低温処理の時間になりますので、決して家の中などには入れたり直射日光をあて種や土を過乾燥させたり雨に当てないように注意してください。
保存中の温度管理 高温処理と低温処理
すぐに種を撒く場合
ダコニールかベンレートなどの殺菌液を入れた容器に直接クリスマスローズの種を入れ、種が膨らむまで一昼夜おきます。
種の皺がなくなりふっくらしてきましたら口径15センチほどの鉢に赤玉土小粒を7分目
ほど入れ灌水し蒔き床を用意します。
その上に種を1〜2センチ前後の間隔で平均的に撒き赤玉土を1センチ弱ほどかけます。
その後は直射日光や雨などの当たらない戸外で用土や種子が乾燥しないように発芽の季節まで保存し、4週間に1回ほど殺菌剤(ベンレートなど)を赤玉土・種まで浸みるくらい流し込みます。
発芽までの期間は絶対に用土や種子を過度に乾燥させないよう注意し、用土の表面が白く乾いてきた頃に灌水をするようにしてください。
植物が植え込まれている鉢と比較すると、植え込まれていない鉢の方が用土の乾燥が激しくなりますので注意を要します。
発芽までの期間は土や種の乾燥や過度の過湿に注意します。
雨ざらしの場所に置きますと土の跳ね返りなどで土に雑菌が入り、種を腐らせて発芽が出来なくなったりしますのでご注意ください。
クリスマスローズの種を蒔いてから発芽までの期間に赤玉土の表面にゼニゴケが発生することがありますので注意してください。
ゼニゴケの発生を防ぐには種を蒔いた鉢を黒のネットを被せるか、またはアルミホイールなどで日光を遮断すると発生を予防することが出来ます。
ゼニゴケ
●翌年の1月中頃には双葉が土の表面に現れてきますので、発芽後は立ち枯れ病などに犯されないよう数週間ごとに殺菌剤(タチガレンなど)の散布を忘れないようにします。
ビニールポットなどへの移植は、関東地方基準で翌年に本葉が発生した3月中旬過ぎ、東北や北海道などの北国で4月中旬から下旬頃となります。
●種の保存期間中に旅行などで灌水が不可能な場合は、鉢の表面を調理などで使う銀紙などのアルミホイールで覆うと、しばらくの間用土の乾燥を防ぐことが出来ると同時にゼニゴケの発生を防ぐことが出来ます。
●銀紙(アルミホイール)で鉢の周囲を覆うことは夏の期間中、鉢土の温度上昇を防ぐことができる。
ただしテラコッタ鉢や駄温鉢のように鉢の周囲から水分を蒸発させる役割を持つ鉢には利用できない。
発芽と発根、そして移植
発根は11月下旬頃から
1月中頃に発芽
通常の方法でクリスマスローズの種を蒔いた場合、品種や種類にもよりますが1月中旬頃から2月にかけて発芽を始めます。
すでに11月末頃にはクリスマスローズの種の殻が割れ始め土の中では発根を始めていますので、初夏に種を土中に保存した場合には少なくとも11月始め頃までには種まきを済ませるようにします。
発芽を始めたら過度に蒔き土が加湿になったり乾燥しないように注意してください。
種を蒔いた鉢の置き場所はそのままでかまいませんが、日光に当て保存期間中と同様雨に当たらないよう注意し立ち枯れ病の予防のために殺菌剤の散布を3週間程度に一回ほど行ってください。
双葉の間から本葉が立ち上がってくる時期は種類や品種にもよりますが双葉が発生してから4〜5週間ほどかかります。
最適な移植のタイミング。
本葉が数センチほど立ち上がってきたら口径7.5センチか9センチのビニールポットに植え替えます。
植え付ける用土のブレンドは、基本として赤玉土を6割程度、腐葉土を3割程度、軽石か鹿沼土1割程度を混合します。
用土に混合する元肥(マグァンプK小粒など)は肥料効果が2〜3ヶ月程度のものを使います。
あるいは元肥を混合しないで5月末〜6月初め頃まで液肥(花工場・ハイポネックスなど)を苗の移植1週間後から1週から10日に1回程度800〜1000倍くらいに希釈して与えます。
3月末に移植された苗
必ず双葉の下部分まで土で隠すようにする。
双葉の下部まで用土で隠すことによって双葉の付け根からの発根が多くなりますので元気な苗を作ることが出来ます。(必ず守ります)
詳しいクリスマスローズの種のまき方
発芽苗の扱い方 初夏から真夏にかけて
クリスマスローズの苗をビニールポットに移植して、しばらくすると新しい本葉が発生してきます。
品種によって本葉の数は変わってきますがおおむね2〜3枚程度となりますので、出来る限り肥料過多にならないよう注意しながら5月の終わりころまで液肥を与え続けます。
5月に入る頃になると気温25度を超えるような夏日が現れてきますので、温度や日射に注意し遮光の準備を開始します。
ホームセンターや園芸店などで販売されている銀色の遮光ネット(70パーセント前後遮光)を人の背丈ほどの高さにかけてクリスマスローズに暑い日光が当たるのを避けるようにします。
6月頃から始まる梅雨の季節になりますと、いったんは成長を止めたように見えるクリスマスローズの苗も新しい葉を伸ばそうとしてきます。
その頃は灰色カビ病が多発する季節になりますので病害を防ぐために殺菌剤の散布を忘れないようにします。
秋から冬に
暑さ寒さも彼岸までと言われるように、秋の彼岸頃から液肥や固形肥料を与えはじめクリスマスローズの植え替えも開始し、夏の間遮光ネットに中で過ごしたクリスマスローズも太陽の光に当てるようにします。
秋の彼岸頃から12センチ前後のポットに植え替えるようにします。
用土の混合比率はポット上げの時と同様にします。
植え替え後、1週間ほど過ぎたら固形肥料や液肥を与え始めますが、気温の変化が大きい季節ですので一度に多くの肥料を与えますと根腐れなどを引き起こす恐れがあります。
東北南部、関東地方でしたら10月末頃までに作業を終わらせてクリスマスローズの肥培管理に努めます。
以後の作業は下記のクリスマスローズの植え替えリンクを参考にしてください。
クリスマスローズの植え替え、初めての開花へ
クリスマスローズの種はいつまでに蒔けば良いでしょうか?
クリスマスローズの種は関東地方で5月半ば頃から採取にかかります。
ほとんどの種は乾燥し皺ができた状態で採取されますが、この時点では種は完熟していなくまだ未熟な状態です。
十分な湿度と温度(摂氏25度前後)のある状態で10週間、それによって未熟な種は完熟した種となります。
つずいて湿度と低温の環境を10週間ほど過ぎますと発根、発芽を開始します。
それではいつまでに種を蒔けばよろしいでしょうか。
東北や北海道、そして内陸の地域では7月中旬までに種の土中保存を開始、関東地方以南の地域では8月の旧盆までに土中保存を開始する。
これさえ守れ11月末から12月には種が割れて発根、そして翌年の1月末頃には土中から双葉が現れて発芽します。
(実際の経験では東京地方の保存開始が9月1日でも翌年発芽するが、その年度の気温の状態によって変化します)
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