白糸ピコティFirst Kissとはこの花です。
2004年作出発表 WK クリスマスローズ 白糸ピコティホワイト・ダークネクタリー
WAKAIZUMI-FARMが育種した白糸ピコティダークネクタリーの地色は純白、ネクタリーは赤黒から紫がかった赤などが中心で、花弁が開き雄しべが一本程度、花粉を出すタイミング、この時点でピコティの糸そのものは絹糸のように気品のある1ミリ程度の幅を持ち花弁の地色への滲みのない究極の糸ピコティです。
糸ピコティは、もともとピコティ(覆輪ともいう)という名が付けられているように、花弁の外側の縁に極細い絹糸が品良く巻き付けられているようにピコティが入るタイプのクリスマスローズガーデンハイブリットです。
WAKAIZUMI-FARMのクリスマスローズガーデンハイブリット白の糸ピコティダークネクタリーを作るきっかけは、私がガーデンハイブリットの親株を探し歩いているときに、あるクリスマスローズ生産者のところで不完全なピコティを見つけたときに始まります。
糸ピコティホワイトの親になったその花株は現在でも私の手元に有ります。
毎年花の季節になりその親になった花を見るたびに思うことは、決して素晴らしい花でも美しい花でも無いと言うことです。
そのピコティの花の姿は誰に買われることもなく、販売されることなくむしろ打ち捨てられていく運命に有るかのようなクリスマスローズのガーデンハイブリットでした。
販売金額も他の赤や白ピンクのガーデンハイブリットとは異なっていて、当時の丸弁カップ咲きの花と比較しても非常に安価でした。
まだそのころはピコティのクリスマスローズそのものも少なく注目もされていず、その生産者の所でたまたま偶然に出てきた不完全な花株に会うことが出来たことは、今考えると数少ない幸運としか言えません。
その株の花は二枚の花弁のみに太いピコティが入り他の三枚の花弁にはピコティは入っていず花弁には淡いグリーンのシミが数本まだらに入っている花でした。
WAKAIZUMI-FARMの糸ピコティシングル・ダブルのシリーズは、シリーズを意図して作出されたもので花弁の縁に絹糸のように細く、そして赤紫に彩られたピコティが気品良く入り、花弁の内側の縁にも細く一ミリ程度のピコティを巻き付け、黄色や緑のネクタリーが多い中、この糸ピコティはネクタリーが濃い赤から赤紫に彩られ、花弁の色とのコントラストが一輪の花の印象を強くします。
ただ何となく花を見ている限り、絹糸のように細い赤い糸ピコティがあることには気づかず、花弁に指を添え花を持ち上げた瞬間に、ダークなネクタリーと繊細で絹糸のような究極の糸ピコティが現れ、気品のあるクリスマスローズの一花の印象を強くします。